【元は三セク保有!?】815系にはJR九州が三セク企業から買い取った車両が存在する!?


こんにちは!
本日は8/15ということで、815系の日でしょうか。811系,813系と続き、815系に関する記事を書いていきたいと思います。
JR九州に所属している815系という形式をご存じでしょうか?


815系
815系とは1999年に誕生した形式で2両編成の形式です。熊本車両センターと大分車両センターに併せて26編成が在籍しており、鹿児島本線豊肥本線日豊本線など福岡県・熊本県大分県を中心に活躍しています。817系ほどの数が製造されていないので影が薄い形式なような気がしますが、JR九州のワンマン区間において重要な役割を持った形式です。そんな815系、当然ながらJR九州が設計・新造された形式ですが、わずか4編成だけ、もともとは第三セクターが所有しており、のちにJR九州に売却された、元三セク所有の車両というのも存在します。今回はそんな元三セク車両をご紹介したいと思います。

元三セク車両はNT007~NT010編成

元三セクの車両は熊本車両センターに所属しているNT007~NT010編成の4編成です。


元三セクのNT008編成
この車両は元々豊肥本線高速鉄道保有株式会社という第三セクター企業が所有していました。豊肥本線高速鉄道保有株式会社は、名前に「豊肥本線」と付いていますが、鉄道事業者ではありません。1999年に熊本~肥後大津駅間を電化するにあたり、JR九州豊肥本線の沿線自治体が共同出資して設立された三セク企業です。JR九州保有路線を電化するのに、別会社を設立して事業を進めるという事象が起きました。この会社は現在でも豊肥本線の電化設備等を保有し、保有した設備をJR九州に貸し付けることで利益を発生させています。ただし、この会社はあくまでも設備を貸し付けているだけで、鉄道を運行しているわけではありませんので、鉄道事業者ではないということになります。そのため、この815系は私鉄からJRへ譲渡されたわけではないということには注意しておく必要があります。そういった企業が2015年までは815系NT007~NT010編成を所有し、JR九州に貸し出すという方法を取っていました。ちなみに似たような会社としては、瀬戸大橋線などの改良時に設立された瀬戸大橋高速鉄道保有株式会社や、現在は残っていませんが、山形新幹線開業時に設立された山形ジェイアール直行特急保有株式会社などが挙げられます。これらの会社も設備を保有し、JRに貸し出すという事業を行う、鉄道事業者ではない三セク企業です。



話を815系に戻しますと、豊肥本線高速鉄道保有は815系を所有していたとはいっても実態はほぼJR九州の車両と同等の扱いを受けていました。所属先は豊肥本線高速鉄道保有時代から熊本車両センターでしたし、整備も完全にJR九州の担当でした。あくまでもこの会社は815系を保有し、それをJR九州に貸し出すだけであり、メンテナンス等は完全にJR九州が担当していたのです。
こういった状態であったNT007~NT010編成ですが、2015年にJR九州がこれらの4編成を購入し、正式にJR九州の所有車両となりました。この時点で名目共にJR九州の車両になりました。JR九州が三セク企業から車両を買い取った背景にはこのようなことがあるわけです。ちなみに、所有がJR九州ではなかった時代は、銘板なども豊肥本線高速鉄道保有と書かれた物が付けられていたようで、明確にJR九州の所有車両ではないことが分かっていたようです。現在ではもちろんJR九州が購入したので、そういった銘板は取り外されてしまいましたので、現在ではこの車両が元三セク所有車両かどうかは編成番号のみで判断できることになります。
ちなみにJR東日本の400系新幹線も先述の山形ジェイアール直行特急保有株式会社が所有し、JR東日本に貸し付けるという手法を取っていました。そのため、400系新幹線もJR東日本の所有ではなかったのですよ。鉄道車両には815系や400系のような面白い例も存在するわけです。
今回は元三セクの815系に関する記事でした。元三セクの815系、なかなか話題にな貼りませんが、面白815系の要素なのではないかなと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!