209系2100番台でかつて僅かな期間誕生した貫通10両編成とは?京浜東北線以来の復活のワケ


こんにちは!
今回は房総地区の209系に関する記事を書いていきたいと思います。
房総地区の209系はかつて京浜東北横浜線E233系導入によって置き換えを行う予定が労働組合資料から明らかになっていました。しかし、両線へのE235系導入及びE233系転出は中止になり、置き換え計画が存在した209系2000/2100番台の置き換え計画は未定の状態となっています。そんな209系2100番台ですが、かつてほんのわずかな期間ながら貫通10両編成という形態が存在しました。今回はかつて209系2100番台に存在した貫通10連について振り返る記事を書いていきたいと思います。

廃車回送の為に組成!京浜東北線以来の元0番台10両貫通編成復活!

209系2100番台は2021年ダイヤ改正まで4+6連の10連を組む連結運用が存在し、かつての房総地区において10両編成の209系は日常的に見ることのできた存在でした。しかし、貫通10両編成という形態は房総地区においては存在せず、500番台や1000番台を除く0番台顔の10両編成というのは、2010年の京浜東北線撤退以降消滅していました。そのような状況で2021年に貫通10両の209系が復活することになりました。写真がこちらです。



こちらの写真は幕張車両センターにおいて撮影した写真ですが、通常の209系よりも長い状態になっているのが分かると思います。この写真は10両編成を組んだ様子です。非常に長い0番台顔の209系、久々に見たこともあり、この姿を見たときはなんだか感動したものですね。
もちろん、この209系は営業運転の為に貫通10連を組んだわけではありません。209系が貫通10連を組んだのは廃車回送のためでした。当時、209系6連のC600番台の編成は廃車になる編成と、4連に組み替えられる編成が誕生し、廃車が6編成、4連化が6編成の計12編成に動きが生じました。このうち、廃車になった6編成のうち2編成が伊豆急行に譲渡されており、編成単位で実際に解体されたのは4編成となっています。その他の解体としては、4連化された209系のモハユニット2両×6編成分と、伊豆急に譲渡されなかったモハユニット2両×1編成分の14両です。これらのモハユニットが解体されるわけですが、このモハユニットをバラバラで廃車回送を行うと、回送する回数が増えることになります。そこで廃車回送を少なくする手段として行ったのが廃車になる6連の209系に、2編成分の抜かれたモハユニット(2編成×2両の4両)を組み込むことにより、10連化をすることで、廃車回送の回数を減らすということです。一回の廃車回送で運ぶ車両数を増やすことにより、廃車回送の回数を減らすことにしたということになります。
ちなみに当時組成された10連はこのような形になっています。

C612編成 TC2112+MM´2123+MM´2127(C614)+MM´2121(C611)+MM´2124+TC´2112 
C618編成 TC2118+MM´2135+MM´2131(C616)+MM´2109(C605)+MM´2136+TC´2118 
C626編成 TC2126+MM´2151+MM´2139(C620)+MM´2125(C613)+MM´2152+TC´2126

その後、C612編成他は2021年4月28日、C618編成他は2021年4月22日、C626編成他は2021年5月12日に廃車になりました。3月頃の組成から最大で5月まで、およそ2か月限定の10連復活ということでした。

ちなみにこれ以外にも、貫通8連も誕生しました。廃車になる209系6連に、伊豆急行に譲渡された編成から抜かれたモハ2両を組み込んだ8連です。編成表はこのような形です。

C619編成 TC2119+MM´2137+MM´2101(C601)+MM´2138+TC'2119

伊豆急行にはC601,C609の2編成が譲渡されましたが、C609編成は6両のまま譲渡され、C601編成は4両で譲渡されたため、余剰モハが2両しかなく、この1回の廃車回送のみ8両での実施となりました。

このように廃車回送の為だけに短い期間のみ復活した10両編成。一度も運用に就くことなく廃車となった、まさしく幻の10両編成だったのかなと思います。今後、209系元0番台の貫通10連が復活することはあるのでしょうかね?どうなるのでしょうか。
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