こんにちは!
昨日に続き比較的近年の過去の列車に関する記事を書いていきたいと思います。
今回扱いたいのは215系です。
215系
215系とは、1992年~1993年に10両×4編成が製造されたJR東日本の通勤電車です。この車両の大きな特徴はなんといってもオール二階建て車両であるということです。巨大な車体ながらもスタイリッリュなデザインの格好良い電車でしたね。
215系は東海道線用の車両として誕生しました。デビュー当初はアクティーなどの通常の列車でも使用されていましたが、乗降時間がかかるなどといった理由もあり、最終的にはおはようライナーやホームライナー、湘南ライナーといった有料着席列車のみの活躍に落ち着き、2021年の特急湘南デビューまでおよそ30年ほど活躍をつづけました。これらの有料着席列車は平日限定の運用でした。そのため215系は平日限定で活躍する車両…と思われるかもしれませんが、実はそういうわけではありませんでした。暖かい時期だけではありましたが、休日にも活躍していたのです。今回はそんな215系末期まで見ることに出来た休日運用について記事を書いていきたいと思います。
元祖中央線二階建てグリーン車?215系ホリデー快速ビューやまなし
215系の暖かい時期限定の休日運用は何なのか?ということですが、それは「ホリデー快速ビューやまなし」です。ホリデー快速ビューやまなしとは、毎年3~11月に運行されていた休日限定の快速列車です。停車駅は新宿、三鷹、 立川、八王子、高尾、相模湖、大月、勝沼ぶどう郷、塩山、山梨市、石和温泉、甲府、韮崎、小淵沢です。「暖かい時期限定」というのは、3月から11月間の運転と、冬季を避けた設定になっていたことからこういったタイトルを付けました。なぜ冬季は運転されなかったのか?ということですが、215系が耐寒仕様の車両ではなかったからと言われていますね。耐寒仕様でないため、車両故障等を防ぐ観点から、冬季設定は行われていなかったと言われています。
ホリデー快速ビューやまなしは、通常は東海道線を運行するだけであった215系が、仕事のない休日に東海道線を抜け出して副業を行うというような列車でした。215系はこの巨大な見た目でありながらも、中央線の幅狭トンネルに対応して車両でしたので、中央線を走ることは可能だったのですね。中央線走行可能な車両であり、更に普通車も二階建てのボックスシート、グリーン車も2両連結しているということで、景観も良い車両であり、行楽列車に使うには最適の車両ではありました。平日は大量輸送で着席が保証される通勤客向け列車として、暖かい時期は2階建て車両で景色も良く見えるという車両特性を生かした観光客向け列車として、二つの側面を持った面白い車両でしたね。
ホリデー快速ビューやまなしは指定席とグリーン車を除けば、通常料金のみで乗車できる列車でした。今考えると、これもなかなか凄いことですよね。2019年までは189系やE257系などでホリデー快速富士山も運転されており、こちらも特急料金無しで乗ることが出来ました。こういった様々な快速が運転されており、当時の中央線は格安で観光しやすい路線でしたね。その時代も今や遠くなりましたが…。ホリデー快速ビューやまなしは2020年11月29日の運転を以って営業運転を終了しました。その後、2021年3月に215系の定期運用が終了し、そのまま車両は廃車に。特に廃止宣言も行われず、ひっそりとした幕引きとなったのでした。
ちなみに、過去にはホリデー快速ビュー湘南・ビュー鎌倉としてもホリデー快速で使われていたことはありました。湘南新宿ラインの開業により廃止になり、数年間の設定でしたが、こういった列車も運転されていたという過去もあります。
ビューやまなしのグリーン券
そんな215系ですが、二階建てグリーン車を連結した車両であるということで、E233系グリーン車の先輩とも言える存在かもしれません。215系のグリーン車は指定席でしたので、乗車体系は異なりますが、二階建てグリーン車が中央線を走るのは実はE233系が初めてというわけではないのですね。当時、私も215系グリーン車に乗って中央線を下りましたが、またあの体験を出来ると思うと楽しみですね。やはり普段二階建て車両が走らない路線で乗る215系は格別でしたね。今後は二階建て車両が走るのがスタンダードになりますが、特に高尾~大月間で二階建て車両に乗るのがとても楽しみだなと思います。
今回は215系の休日運用を振り返る記事でした。215系引退からもう3年ですが、懐かしいものですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!