1999年製は廃車となり、1998年製は転属する


こんにちは!
今回はJR東日本の廃車・転属事情についての記事を書いていきたいと思います。
JR東日本では現在、E235系1000番台を導入してE217系の置き換えが進んでいます。E217系は1994年~1999年に製造されていますが、製造年は特に関係なく、主に検査期限の順番で廃車になっています。このような廃車順となっている影響で、E217系は置き換え初期に後期車が廃車となるケースが多くなっています。これらの後期編成は、約20~22年ちょっとの活躍となりました。

E217系

一方で、武蔵野線に目を向けてみると、武蔵野線では2017年からE231系209系500番台の導入により、205系の置き換えを進めて、2020年10月までに205系は引退しました。E231系や209系はすべて総武線からの転属車でしたが、この際にE231系の試作車も一緒に転属となっています。E231系試作車の製造年は1998年です。2020年に転属しましたので、総武線で約22年活躍したのちの転属です。

E231系900番台(試作車)

先に紹介したE217系後期車は1999年に製造されたにも関わらず、2021年~2022年にかけて多くの編成が廃車となっています。しかし、E231系900番台は1998年に製造されているにも関わらず、廃車とはならず、2020年に機器更新の上転属しています。個人的にこの点がJR東日本の車両のやりくりの中でも面白いポイントだなと思います。

なぜこのようなことが起こったのかということを考えてみると、E217系の機器更新は全編成が2012年までに行われていて、引退時点で足回りが更新から10年経過した車両も多く存在していました。その一方、E231系900番台(209系500番台も)は、製造から約20年経った2018~2020年ごろまで更新は行われておらず、転属と同時に更新が行われました。製造年が同じくらいの時期とは言えども、機器更新の時期には大きな差があり、足回りの経年はかなり異なります。このことも引退か転属か明暗を分けたのでしょう。そのほかにも、E217系は高速運転で長距離を走る電車ですから、足回りも車体も、劣化が進んでいることが推測されるのではないかと思われます。また、そもそも形式としての性能の違いも影響しているでしょう。このように様々な要因が重なり、タイトルのようなことが起こっているのだろうと思います。
とは言えども、ほぼ同じ年代に同じ会社向けに作られたのに片や廃車、片や転属ですから、車両の運命もなかなかなものですね…。

このように現在当たり前のように行われているE217系の廃車は実は武蔵野線E231系よりも新しい編成でも発生しているのだということをお伝えしました。
最後までご覧いただきありがとうございました!