こんにちは!
今回は東急電鉄に関する記事を書いていきたいと思います。
最近、編成毎の差異紹介のような記事を書いていないと思いまして、これから少しずついわゆる「ネタ編成」と呼ばれる、経歴や形態の面白い編成を紹介する記事を書いていきたいと思います。しばらくは東急5000系列を扱いたいと思います。今回扱うのは東急5050系4000番台の4115Fです。東急5050系では8両編成と10両編成の2つの長さの編成が存在するため、区別のために10両編成は4000番台とされています。そんな10両編成の4000番台のうちの4115Fの紹介です。
この編成、かなりのネタ編成となっており、10両編成中に3つの形態の車内を楽しむことが出来る編成となっています。今回はその3つの形態の車内を紹介するとともに、なぜそのような編成が誕生したのかを扱っていきたいと思います。
内装
まずは内装を見ていきましょう。
4115Fは10両中7両が2010年に製造された車両となっており、こちらがスタンダードの車内です。1~3,6,8~10号車がこの内装です。スタンダードはこんな感じです。
このように一般的な東急5050系の内装となっていますね。東急5050系は2010年までに製造された編成は網製の網棚を搭載していますが、この編成は2010年に製造されたため、網棚となっています。モケットも赤系の一般的な5050系の内装ですね。
続いて7号車を見ていきましょう。内装はこちらです。
先ほどのスタンダードと変わらない?と思われるかもしれませんが、荷物棚が網製ではなく、板製のものになっています。大きな違いはこれですね。7号車は2011年に落成した車両となっており、この車両たちから板製の網棚となっています。製造時期の若干の違いから、内装がバラエティー豊かになっているというわけです。
そして4,5号車がこちら。
こちらはいわずもがなQシートですね。夕方には座席がクロスシートとなり、座席指定列車として運転されます。こちらは一つ一つの座席にひじ掛けが付いているなど、有料車両に見合う内装となっており、一般車としての営業時間に乗れれば少し乗り得な気分を味わえる車両でしょう。こちらは2023年製となっています。
このように最大約13年ほどの車齢差となっている4115F。製造年では2010,2011,2023年の車両の混結編成となっています。東急5050系4000番台の中でも最も車内の形態が多い編成になっていますね。
それではなぜこのような編成が誕生したのでしょうか。ここからは誕生した経緯を見ていきましょう。
元は8両5169F
Qシートの組み込み編成は、4115Fに限らず、4112F~4115Fまですべて8両編成の車両で、Qシートのサービス開始と同時に4000番台化=10両化されました、そのためこの編成は近年まで8両編成の車両として活躍しており、8両時代は5169Fでした。
この5169F、2010年に落成しましたが、新製時に7連で落成しています。先ほどスタンダードの形態と紹介した7両ですね。東横線向け車両は7連では走れませんので、7連で落成したということは、既存車を組み込むことを前提とした落成であったということです。それではなんの車両を組み込んだのでしょう?組み込んだ車両は5000系の単独デハの電装解除車です。当時、東急5000系,5050系はリーマンショックの影響を受け、製造数が減少することとなりました。そこで、元々田園都市線で使う予定であった車両の一部を東横線で活用することに方針転換が行われました。5000系は田園都市線に導入予定であったものの、5050系の副都心線改造予備や9000系の置き換えのため、5118F,5119F,5121F,5122Fの4編成が田園都市線導入予定から東横線導入に変更されたのですね。その際、6ドア車2両を含む9両で落成していた5118F(6ドア車組み込みの関係上、他の編成のサハを編成内に組み込むことを見越し、田園都市線向けですが9両で製造されていました。)は、6ドア車2両を他の編成の4ドア車と交換し、更にデハ1両を抜いた上で8両化し、東横線へ転属しました。編成中の6ドア車は田園都市線向けた編成の6ドア車増結に使われましたが、デハが余ってしまったわけです。そこでこの余ったデハを5169Fに組み込むことになったのですね。5118Fが8両編成で東横線に転属したのが2009年、余ったデハが5169Fに組み込まれたのが2010年のことです。
5118Fの組成表はこんな感じです。
5169Fに単独デハを組み込んでもMT比が過剰になってしまうため、電装解除の上、組み込まれています。
しかし、この車両、元はデハであるため、電装解除をしたまま使い続けるのはもったいないということで、東横線に誕生する10両編成の4000番台に再電装化の上使うこととなり、5169Fからは外されることとなりました。そこで代わりに導入されたのが先ほどの板製網棚の7号車です。(当時は5号車でした)このサハを組み込み、元5000系デハを追い出したという形になります。この出来事が2011年です。つまり電装解除の5000系は1年ほどしか組み込まれていませんでした。この新製車の組み込みの時点で、現在の組成のうち、Qシート以外の組成が完成したということになります。
更に2023年にQシートを導入することとなりました。5169Fは既に編成中に2形態が存在する編成であったにも関わらず、更にQシートが組み込まれ、3形態の車内を持つ編成になったと、こういったことですね。このようにかなり複雑な経緯で誕生した編成ということになります。ちなみに他のQシート組み込み編成にはこのような複雑な編成はありません。あくまでも4115Fのみが3形態の編成ということで、Qシート組み込み編成の中でも特にレアな編成ですね。
なお、旧5000系の電装解除デハを組み込み、2011年に新製サハに変わった5050系は他にも5172F,5174Fと4111Fが存在しています。4111Fにも2010,2011,2019年製と3種類の編成を楽しむことが出来る編成ですし、5172Fも2003,2010,2011年製と3種類の車内を楽しむことが出来る編成です。今後これらの編成も紹介する機会があればと思います。
今回は4115Fに関する記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!