こんにちは!
今回は都営新宿線に関する記事を書いていきたいと思います。
都営新宿線では2018年の10‐000形引退以降、28編成の10‐300形で形式統一されています。書類上は10‐300形で統一されていますが、10‐300形は製造時期によって細かな仕様がかなり異なります。その中でも特に仕様が全然異なる車両が4編成のみ存在します。その車両たちが10‐300形1・2次車と呼ばれる車両たちです。
(左)1・2次車 (右)3次車以降
10‐300形は2005年から製造され、現在の所2022年まで製造が続いています。その中でも2005~2010年に製造された1・2次車と、2013年以降に製造された3次車以降では大きく仕様が変更されました。先ほどの画像にもある通り、デザインが大きく変わっているのは分かると思います。性能面の違いは大まかに言いますと、1・2次車はE231系ベース、3次車以降はE233系ベースの性能で製造されています。ベースとなったJR東日本では形式を分けたE231系とE233系ですが、都営は形式を分けることはせずに、同じ形式になっています。しかし、JR東日本が形式を分けていることからも分かる通り、使用機器などは2次車以前と3次車以降では異なります。
10‐300形1・2次車はもともと4編成だけでなく、12編成在籍していました。(10-300R形を除く)しかし、現在残っている4編成を除いた8編成は既に廃車になっています。それではなぜこの4編成のみは残ったのかということですが、この4編成のみ10両編成であったからです。10‐300形1次車はもともとは、全車両が8両編成で製造されました。その後、2010年に製造順で後ろから数えて4編成の車両(10‐450F~10‐480F)のみ、中間車2両を組み込み、10両編成化が行われました。それ以外の編成は引き続き8両編成で活躍を続けることになりました。ちなみに、この時に組み込まれた中間車が2次車と分類されています。
しばらく10両と8両の混交状態が続いていましたが、2022年に全車両10両化が行われることとなり、その際に10両編成化されていなかった8編成は廃車になってしまいました。しかし、2010年に10両編成化されていた4編成は廃車を逃れることとなり、現在まで残っているという経緯ですね。2010年に組み込みされていなければ廃車になっていたでしょう。過去の改造が良い方向に働いて生き残った、そんな車両たちです。
そんな10‐300形、現在製造から18年で、同世代のE231系では機器更新も始まっています。そんな中、残った4編成は機器更新無しで活躍を続けています。果たして今後に機器更新が行われることはあるのでしょうかね?私は機器更新が行われることは無いだろうなとは思っています。なぜなのか?ということですが、都営はこれまでVVVF機器更新を行ったことが一度もなく、基本的にリニューアルは行わないからというのが一番大きいですね。それでは、なぜ都営が機器更新を行わないのかということですが、機器更新を出来る設備が都営に揃っていないからと言われていますね。かつて6300形の8両化などが検討されていたこともあったようですが、こちらも結局頓挫しました。このように都営は自社設備で更新がしずらいということで、更新を行わない傾向にあります。仮に10‐300形が機器更新を行うとすれば、京王の若葉台で更新を行うのだろうと思います。しかし、少数の車両のためにわざわざ他社委託をしてまで更新をするか?と考えるとなかなか疑問なのかなと感じる所です。6300形GTO車や5300形がそうであったように、25年超ほど使用して、機器更新は行わずに廃車にする可能性というのが高いのかなとは思っていますね。E231系ベースですから、もう少し廃車は早いかもしれませんが…。いずれにしても更新は望み薄なのかなとは思っています。
今後どれぐらい走り続けるのか、または機器更新が行われるのかどうかが注目の10‐300形1・2次車ですが、少数派の車両で面白いと思いますのでぜひ乗ってみると楽しいと思います。特にE231系の幽霊インバータと呼ばれるIGBT-VVVFを奏でるのは、E231系800番台・相鉄10000系の未更新車と10‐300形のみです。E231系800番台や相鉄10000系は既に機器更新が始まっており、数年以内には未更新車は消滅しそうな勢いですので、機器更新の気配がないのは10‐300形のみです。是非楽しんでみてください。
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