【中古利点無?】中古車両価格が4倍に!? 何がそんなに値上がりしているのかを考える


こんにちは!
今回は中古車両事情に関する記事を書いていきたいと思います。以前、伊予鉄が新型車両を導入することが発表された際にこのような記事を書きました。
e231211.hatenablog.com
中古車の出物不足ということで、内容としては18m車両の出物が不足していくため、今後地方鉄道にとっては中古車を入れることが難しくなっていくだろうという記事でした。地方鉄道では18m車両のみしか導入できない鉄道も多く、現状の首都圏の18m車両の不足状態では、なかなか厳しいのだろうということですね。そう思っていたのですが、そもそもの出物不足に加え、中古車の価格が高騰していることが、今回のことでんの新型車両導入に際した記事により明らかになりました。こちらです。
www.nikkei.com
この記事で完全新型車両を導入するに至った簡単な経緯が記載されており、その中にこのような記述があります。

中古車両の価格はここ十数年で4倍に高騰しており、新型車両の導入を決めた。

びっくりしましたね。ここ数十年で中古車の価格が4倍に跳ね上がっているということなんです。値段の高騰はあるとは思ってはいましたが、4倍とは…。そこで今回は何がそんなに値上がりしているのか、こちらを妄想のような形になってしまいますが、考えてみたいと思います。

VVVF化やクモハの減少が影響?

これは譲渡元の鉄道会社が中古車の価格を跳ね上げ、儲けようとしている…ということではないでしょうね。おそらくVVVFの普及が絡んでいるのだろうなと思います。VVVFの中古車が全国的に普及する前、地方鉄道の譲渡車両というのは、基本的に譲渡前の機器をそのまま流用する車両というのが多くなっていました。ことでんの車両も細かな部品は交換されている物もありますが、大まかな走行装置は種車の物を使っており、大きなリニューアルは行われていませんでした。しかし、近年の中古車はVVVFの車両が多くなっており、そうなると一定の年数で更新工事(機器更新)が必要になってくるわけです。例えば近年様々な鉄道に譲渡された03系を見てみると、メトロ時代に機器更新が行われていた車両を購入した長野電鉄はそのままメトロ時代の機器を流用していますが、先頭車のみを購入した北陸・熊本・上毛は完全に新しいVVVFやモーターなどの走行装置を搭載しています。更にクハの電装化まで行っています。過去に北陸鉄道上毛電鉄が購入した元京王3000系ば機器流用の上譲渡されていますので、単純にこの時点でもVVVFやモーター等の走行機器の購入費が、改造費以外にも新たにかかっているわけです。このように譲渡に際した部品が新たに必要となっており、過去の譲渡の際よりも中古車両の費用が跳ね上がっているのは事実だと思います。それに相まって物価高ですから、機器類の値段も高騰しているでしょう。こういったことの組み合わせなのだろうと思います。
これにどのぐらいの費用が掛かっているのかと言うことを見てみると、例えば上毛では費用が公開されています。
www.nikkei.com
こちらの記事では1編成(2両)3億円もかかっていることが明らかになっています。先述の通り、VVVF等走行機器の新規購入など、これまでの装置をそのまま流用出来ないことが、価格の跳ね上がる一番の理由なのだろうと思います。

ことでんに当てはめると…?


それではこれをことでんに当てはめてみましょう。おそらくことでんの検討した中古車には京急1500形は含まれていたのではないかと思います。そのため、京急1500形で考えてみましょう。
京急1500形京急内で機器更新が行われている編成があります。6両編成の14編成に対して、更新工事が2006~2015年に行われています。これらの車両は機器更新から9~18年ほどしか経っておらず、そのまま流用することも可能なように思われます。(SIVは除く)また京急1500形はデハであるため、電装化も行う必要はありません。そのため、03系ほど更新工事が高価になることは無いのではないかとは思います。しかし、今後おそらく30年ほどは使うことになるのでしょうから、そういったことを考えると、約20年ほど経過したVVVFをそのまま使うと長期的にはおそらく更新が必要になることがあり得るのではないかとは思います。そういったことを考えると、導入段階で機器更新を考えている可能性はあり、こういった場合は4倍に跳ね上がってもおかしくないのではないかと思いますね。またそもそも6連を2連にする上で、VVVFのユニットの組み換え等も行わなければならないでしょうから、この辺りの費用もかかるのでしょうね。こういったことが高騰の理由なのかなと思います。特に機器更新を考えているならば、使えるのはほぼ車体と台車だけのようなものですから、費用が掛かるのは当たり前でしょうね。おそらく4倍という数字は機器更新をした上で導入する場合の試算なのではないかな?とは思います。既存のIGBTを使うつもりならば、4倍まではいかないのではないかな?とは思いますが、断言はできません。

価格が4倍も跳ね上がるならば、新型車両を入れた方が得ですよね。一度入れて、更新工事を行えば、50~60年ほどは使えるでしょうから、高い金を払って中古を入れるよりは、新型に舵を切った方が良いというのは頷けるところです。
しかし、ことでんは今後全車両の置き換えを新型車両で行っていくのでしょうかね?ことでんの車両数も多いでしょうし、16mの車両もありますので、この辺りはどうするかですね。個人的には16mの車両だけは中古の可能性もあるのではないか?とは思ってはいますね。名城線もちょうど新型車用が発表されましたし…。果たして今後どうなるのか注目ですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!