こんにちは!
昨日、JR東日本の春の臨時列車の臨時増便が発表されました。これがまた昨今の新幹線の問題二つを同時解決する面白い便になっていますので、ご紹介したいと思います。
https://www.jreast.co.jp/railway/extratrain/2024/springadditional_tec.pdf
臨時増便のプレスリリースです。今回扱うのはここに記載されている便のうち、昨日公表された2便のみです。
E2系J66編成 200系カラー
キュンパス特需で混雑!? やまびこが改正まで臨時増結
今回臨時増便されるのは、以下の列車です。
やまびこ121号 東京6:12発 仙台8:10着
やまびこ160号 仙台21:24発 東京23:28着
この2便です。この2便は福島~東京間は定期のつばさ121号、160号に増結される形で増便されます。この2便の関係は、夜につばさ160号として上京し、そのまま上野の基地に入庫。そして翌朝に121号として下るということになるため、前日夜の160号と翌日朝の121号は同じ車両が使われます。使用車両はダイヤ改正で大幅に運用が縮小されるE2系での運転です。夜のやまびこ160号は普通車全席自由席で運転されます。(グリーン車は乗車後にグリーン料金を支払うことになるようです。)
この臨時増便ですが、なぜ急遽設定されたの?ということですが、おそらく2つあると思われます。その理由の一つがキュンパス特需で新幹線が混雑していることです。JR東日本は2/14~3/14の間の平日限定で1万円で新幹線・特急の自由席が乗り放題になる「キュンパス」を発売しています。指定席も2回に限り乗車することが出来ます。ただし、2回しか指定が出来ないため、自由席が設定されているやまびこが混雑しているのです。ぜひみなさん、ツイッターで「やまびこ 混雑」と検索してみてください。特に朝の下りや夜の上りなど、通勤ラッシュ並みに混雑している!というツイートが散見されます。こういった混雑が東北新幹線において発生しているわけです。そこでつばさに増結する形でやまびこを増便することで混雑を緩和しようという、こういった狙いが一つあると思います。しかし、これだけではなく、JR東日本にとってはつばさにE2系を連結しなければならないもう一つの事情があるのです。
E2系J69編成 Magical Dream Shinkansen
E3系の滑走対策でE2系を連結!キュンパス特需対策でついでに営業?
そのもう一つの理由というのが、E3系つばさの滑走対策です。3/6、朝の郡山駅にてE3系つばさ121号がオーバーランをしたというニュースが世間をにぎわせましたよね。E3系単独走行での積雪時のオーバーランは2022年12月にも起こっており、それに続く2回目の出来事でした。2022年のオーバーラン時、原因についてはE3系が降雪時に滑走をしやすい可能性があるのではないかと言われており、当時その対策を行いました。その対策というのが、E2系の回送列車をE3系単独つばさ7両編成の121号,160号に連結し、17両で運転することです。E2系を連結することにより、17両分のブレーキを確保でき、E3系の滑走を防ぐことが出来るという原理です。そこで、2022年12月にオーバーランをしてから2023年改正まで、E3系つばさの121号,160号にE2系の回送列車を連結するという対策が取られていました。
それでは昨年~今年の冬季はこの対策はしていたのか?ということですが、実は今年の冬季はそのような対策はしていなかったのですね。そんな中で、オーバーランが発生してしまったということで、その際に行われていたE3系の滑走対策を、今回オーバーランが発生した3/6の当日のつばさ160号以降突如として行っています。つまり、現在もつばさ121号、160号にはE2系の回送列車が連結されているのです。その回送が3/11~3/14限定で営業運転を行うということになるのですね。つまり、つばさ121号,160号にE2系を連結することで、E3系の滑走対策とキュンパス特需の混雑対策の2つを同時に行うことが出来る、まさしく一石二鳥な設定というわけです。
この臨時増便の裏にはこのような事情が絡み合っていると、非常に面白いなと思いますね。E2系の運用の大幅な縮小前にE2系運用が増えるとは思いませんでしたが、J66~J69にとってはキュンパス対策として最後のピンチヒッターのお仕事となるのでしょうね。
最後に気になるのは、ダイヤ改正以降はつばさ121号、160号の改正後の回送連結はするのでしょうかね?つばさ連結やまびこは全てE5系に変わりますが、回送が引き続き運転されるとしたらE5系になるのか、それともこの回送のみはE2系なのか、それとも連結しないのか、どうなのでしょうね。もう暖かい時期になりますから、改正で終了となりそうな気もしますが。この辺りは気になる所です。
今回はE2系臨時列車に関する記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!