八高・川越線を走った205系3000・209系3000/3100番台の廃車に関する動き


こんにちは!
本日は八高・川越線に関する話題です。
2017年11月28日に秋田総合車両センターからE231系3000番台ハエ41編成が出場してから約4年半経った2022年5月ようやく八高・川越線の世代交代が完了しました。
205系3000番台5本、209系3000番台4本、209系3100番台2本計11編成44両。たったこれだけの両数ですが、相当の時間を要した世代交代。かつて八高・川越線を走った205系,209系の引退の記録をこの記事に書いていきたいと思います。

205系3000番台
2018年2月7日 205系ハエ82編成 長野へ廃車回送
八高線から一番最初に引退したのは205系のハエ82編成。一足早く1編成のみでの廃車回送となりました。この編成は特段変わった動きをすることもなく、廃車回送後解体されました。

2018年5月11日 205系ハエ84&85編成 長野へ廃車回送
初回の廃車回送から約3か月後、ハエ84,85編成が2本同時に廃車となります。しかし、この編成たちは配給先の長野総合車両センターですぐに解体はされず、2編成とも譲渡のため、部品取り禁止の貼り紙が貼られることとなります。この時はかなり話題になりました。
結果的に、ハエ84編成は数ヶ月放置された後、2018年10月に解体されることとなります。計画が頓挫したのか、ただ貼り紙がしてあっただけなのか、詳しいことは分かっていません。
そしてハエ85編成は、3両編成に改造され、富士急行に譲渡されることとなりました。2018年10月31日~11月1日にかけて甲種輸送が行われ、富士急行に移籍しました。ハエ85編成は現在も6701fとして富士急行線で活躍中です。

2018年7月23日 205系ハエ81&83編成 長野へ廃車回送
7月には八高線に残っていた最後の205系2編成が廃車となり、川越車両センターから205系が消滅となりました。この編成たちも、長野に到着後、ハエ81編成は譲渡のため、ハエ83編成はJRTM部品確保のため部品取り禁止の貼り紙が貼られ、長野で留置されることとなりました。結果的にハエ83編成は2019年3月に解体されることとなります。おそらく解体前にJRTMで部品取りが行われたものと思われます。
そしてハエ81編成は3両編成化の上、富士急行に譲渡となりました。こちらは2019年2月14日~15日にかけて甲種輸送が行われています。現在でも富士急行6702fとして活躍中です。


209系3000番台
2018年8月28日 209系ハエ62編成 郡山へ廃車回送
8月にはついに209系3000番台から初めて廃車が発生することとなります。ハエ62編成が廃車のために郡山総合車両センターへ回送されました。しかし、この編成は、郡山にて訓練機械に改造されることとなりました。ハエ62編成のモハユニットにクハのFRPや運転台などが取り付けされ、2両の訓練機械となりました。その後、2018年12月25日~26日にかけて、郡山を出場し、東大宮車両センターへ甲種輸送が行われました。現在でも東大宮車両センターにて訓練機械として活躍中です。両クハはFRPを除き、解体されています。

2018年12月17日 209系ハエ61編成 宇都宮疎開回送
2018年10月にドア故障を起こしてから運用離脱をしていたハエ61編成は、パンタグラフと一部幕(ハエ64編成幕盗難による幕提供のため)などが撤去された上で宇都宮運転所疎開されました。

2019年1月28日 ハエ63編成 下新田疎開回送
2019年3月11日 ハエ64編成 下新田疎開回送

2019年に入ると、ハエ63、64編成それぞれが別の日程で、下新田に疎開されることとなりました。配給の日時こそ違いますが、疎開場所は全く同じで、一時期は連結して疎開されていたようです。この疎開に関してもパンタグラフが撤去の上、疎開されました。

2018年末から2019年初めにかけて行われた3000番台の疎開は当時大きな話題となりました。ネットでは疎開の理由について様々なが噂がありました。例えば、他社譲渡の噂や、武蔵野線転属の噂などです。


209系3100番台
2019年9月~ 209系3100番台ハエ71&72編成の豊田疎開がはじまる
疎開された3000番台に大きな動きが無い中、E231系と209系3500番台が11編成全編成揃い、そのことによって3100番台の豊田疎開が始まることとなります。最初はハエ71編成で2019年の9月18日、続いてハエ72編成が10月28日に疎開されました。しかし、ハエ72の疎開とともにハエ71は川越に戻っており、あくまでも1編成ずつの疎開となっていました。その後もハエ71が疎開した場合は、ハエ72が川越に戻る、その逆も然りというように、約1か月単位で疎開の交換が行われることとなります。この繰り返しが2020年7月2日まで続きました。疎開中は当然運用にはつきませんが、川越に戻った際には運用につくこともあり、運用離脱による疎開ではなく、車両留置の関係上の疎開であったようです。
この疎開が終わると、3100番台は2編成とも本格的に運用に復帰するようになります。その理由は八高線川越線でのE231系と209系3500番台にワンマン化工事が始まったからです。後継車揃った中、疎開を繰り返しながらも、細々と3100番台の川越線での活躍が続いていたのは、ワンマン化改造の際の予備車として使用する計画があったからです。その計画通り、ワンマン化改造が始まると、3100番台は予備車として、通常通りの活躍をすることになります。
3100番台が疎開を繰り返しながらも引き続き運用を続ける中、3000番台の疎開はついに終了することになります。

2020年2月7日 ハエ61編成 郡山へ廃車回送
宇都宮で疎開が続いていたハエ61編成がついに動くこととなりましたが、結果は残念ながら廃車回送でした。郡山に到着後、解体が行われました。

2020年3月4日 ハエ63編成 長野へ廃車回送
2020年4月2日 ハエ64編成 長野へ廃車回送

下新田で疎開を続けていたハエ63・64もハエ61同様に疎開が終了しますが、結果は廃車解体でした。郡山ではなく長野での廃車解体となり、ハエ64編成の廃車をもって、209系3000番台は消滅となりました。

209系3000番台疎開されていた理由ついては詳しくわかっていません。しかし、どうやら209系伊豆急行譲渡と関係があるのではないかと言われているみたいです。1年以上も疎開しながらあっけない最期を迎えたこの3編成は残念でした…。

その後も予備車として3100番台は八高・川越線で運用を続けることとなります。しかし、ワンマン化改造も2021年10月をもって終了することとなり、ハエ71編成は2021年10月、ハエ72編成は同年12月をもって運用離脱しました。
その後、引退記念の有料撮影会などが行われ、ハエ71編成に動きが出ます。

2022年2月2日 209系ハエ71編成 大宮疎開
2月にはハエ71編成が大宮総合車両センター疎開されることとなりました。疎開後、大宮駅の11番線から見える線路に留置されていました。

2022年5月19~20日 209系ハエ72編成 郡山配給
2022年5月31日 209系ハエ71編成 郡山配給
運用離脱後も、それぞれ留置が続いていましたが、両編成とも5月には郡山総合車両センターに回送されます。その後、郡山で撮影会などは行われましたが、夏ごろまでに両編成共に解体されました。

このような形です。
八高線で活躍していた車両たちでストレートに置き換え→廃車→解体と進んだのはハエ82編成ぐらいでほとんどの編成が引退後にさまざまな動きがありました。たった11編成とは言えども、それぞれ動きは多種多様。個性的な車両たちの動きをまとめてみました。
ちなみに現時点で残存しているのは元ハエ81,85編成中の3両、元ハエ62編成のモハユニットとなり、元八高線の車両は8両のみ残存しているということになります。
最後までご覧いただきありがとうございました!