東武本線車両の運転台封じ込め なぜこのタイミングなの?【どこまで広がる?】


こんにちは!
今回は東武鉄道に関する記事を書いていきたいと思います。
先日より、東武鉄道の本線系統の4連車両に運転台封じ込め編成が誕生したということが話題になっていますね。固定化されたのは11436F,11447Fの2編成です。両方とも10030型のリニューアル編成ですね。2編成を繋いだ固定化というのは増解結のない東上線編成では行われており、連結面の運転台撤去や転落防止幌設置などが行われています。しかし、増解結が頻繁に行われていた本線系統の車両にはこのような半固定編成と言うのは誕生しておらず、初めての試みとなりました。なぜこのタイミングでの固定化なのでしょうか。そしてどこまで広がるのでしょうか?こんかいはそのことに関する記事となります。

なぜこのタイミングなのか?

それではなぜこのタイミングなのでしょうか。これには主に二つほどの要因が絡んでいる物と思います。まず一つ目が通称「トチロー」の消滅、二つ目が2連車両の減少、これに加えて近年の減便が若干絡んでいると、こういったことでしょう。一つずつ見ていきましょう。
まずは通称「トチロー」の消滅です。トチローというのは鉄道ファンが勝手に呼んでいた運用のことですが、日光線南栗橋~新栃木間における運用のことです。日光線に20400型が導入される以前、日光線は主に10000系列の4連と6050型が担っていました。10000系列の4連編成や2+2の4両編成は、日光線のうち南栗橋~新栃木間の運用に使われていたのですね。4連単独運用があり、それに使われていたということです。しかし、20400型がこの区間の全列車を担うようになり、10000系列の4連単独運用というのは消滅しました。4連の車両は4連+2連の6両編成、もしくは4連+4連の8両編成(4+2+2の場合もあり)というように、基本的に他編成と連結して6連以上で使うようになったのですね。まずはこのことが4連車の運用の大きな変更点でした。
そして近年の動きとしては、2022年改正における大幅減便がありますね。トチローに運用消滅に加え、コロナによる減便の影響で、2連や4連車にも大幅な余剰が発生しました。このことで2連車の多くの編成が運用離脱をし、館林ローカル地区へと転用されていくことになりました。2連編成が減少したことにより、4連車は2連と連結する4+2を組成する機会が減りました。運用の減少や2連の減少により、6連運用には6両編成の車両が、そして8両運用に8連固定、もしくは4+4を優先的に導入することが多くなりました。6連+2連については、どうしても8連単独や4+4だけでは編成数が足りないため、恒常で数本は組成されることになりますが、4連は特に2連との連結本数が減りました。そうなると、4連編成は、必然的に組成変更の機会は減ってきます。そこで4連+4連の固定にするのが良いという判断になったのだろうと思います。
ちなみに目立った固定改造の動きはこれまでありませんでしたが、実質的に半固定状態での運用は実は2022年から行われていたことでした。一部の4連編成は他編成との連結を前提として、片方の運転台にデジタル無線が設置されていない編成が出てきている上、連結ペアが1年以上変わらない編成が出ているなど、半固定の動きは起こっていたのですね。そのため、改造のタイミング的には2022年改正直後でも良かったものの、改造の部品確保などの観点から、このタイミングになったのだろうと思います。
固定化の動きにはこのような背景があるわけです。


今後どれぐらい増えるのか?

それでは今後、この固定の編成はどのぐらい増えると考えられるのでしょうか。そのことを考えてみたいと思います。現在、ペア組成が長らく解消されていない編成がいることから、これらの編成は固定改造される可能性は高いでしょうね。現時点での半固定編成は以下の通りです。

11434F+11444F
11437F+11435F
11451F+11454F
11459F+11458F

以上の編成が長らく実質的な固定化がされています。片運転台にはデジタル無線も設置されていません。このことから、これらの編成は固定改造が行われる可能性が高いでしょうね。
逆に固定化されず、4連単独で組成変更等も柔軟に行われているのは、11431F、11432F、11433F、11453Fの4編成です。こちらの編成には、11453Fを除き、両方の運転台にデジタル無線がついています。そのため、固定改造が行われる可能性は低いのではないかと思いますね。ちなみに11453Fはペアはいないものの、上り方のみに無線が付いている編成で、本線走行には必ず2連or4連の連結が必要になっています。4連単独編成を残すにあたって、連結相手となりうる2連編成は5~6編成ほどが運用に就いている状態になっています。この2連の本線残留組と同じぐらいの本数でペアが組まれていない編成が存在することを考えると、固定化せずに、6連の予備車として単独で残して、予備を維持しておくメリットはありそうです。おそらく固定化は長らくペアを組んでいる編成間でのみ行われるのではないかと思いますね。

このような形かと思います。そのため、現在ペアを組んでいる編成たちは、近いうちに固定化されるかもしれませんので、今の姿を記録したい方は早めにしておいたほうが良いかもしれませんね。
今回は東武の固定化に関する記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!