銚子電鉄の幻の計画!? 十数年前に導入しようとした形式を妄想【2000系は代わりだった】


こんにちは!
今回は銚子電鉄に関する記事を書いていきたいと思います。
town.chibatopi.jp
先日、銚子電鉄が2024年中に新型車両を導入する計画であることが発表されました。その記事では22000系を30年ほど使うつもりであることなど、様々な情報が記載されていましたが、その中で過去のある幻の計画についての記述がありました。その記述が以下の記述です。

『十数年前、デハ1001を置き換えるため、ある車両の譲渡計画が進んでいた。某鉄道事業者の架線電圧が直流1500ボルトなので、600ボルトに降圧化改造しなければならない。

その課題に直面したことを受け、某鉄道事業者はあるメーカーに問い合わせたところ、「降圧化改造ができる技術者がいない」「今までやったことがほとんどない」という理由で断られ、譲渡そのものが白紙となってしまう。』
上記記事より引用

伊予鉄から800系を購入する以前、ある車両の導入を進めようとしていた所、降圧化改造が難しいという理由で断られたということなんです。そこで緊急で導入したのが伊予鉄800系だったようですね。この噂は以前からありましたが、初めてこのような報道機関で公表されたのではないかと思います。今回はこの時に検討されていた車両が何だったのか、このことを考えてみたいと思います。

『ある車両』の代わりにやって来た銚子2000系


当時余っていた18m車両は…

それでは2010年前後に余っていた車両は何だったのでしょう。記事の記載から『1500V』の車両であることが分かっています。また、銚子電鉄は20m車体の車両は導入できないため、基本的に18m車両と考えるのが妥当です。2010年前後に余っていた18m車体の車両を挙げて見るとこんな感じかと思います。

名鉄7000系
京王3000系
新京成800形
京急旧1000形

他にも東急7600系・7700系の一部編成にも余りは出てきていましたが、いずれも当時の余剰車両数が少なかったことから、こちらは記載していません。
2008~2012年頃に廃車になった1500V18m車体の車両はこの程度かと思います。まず名鉄7000系はあり得ないので除外するとして、有力なのは京王3000系新京成800形、京急旧1000形かと思います。
それぞれ考えてみると、まずは京王3000系です。京王3000系は条件に当てはまる車両ではあるのですが、降圧改造が難しいというのは疑問です。なぜなのかということですが、伊予鉄に3000系が降圧化の上、譲渡されているからですね。おそらく京王車両の譲渡車のため、京王重機が担当していたと仮定すると、降圧化を行った例があるため、「技術者がいない、今までほとんどやったことがない」という記述は当てはまらないように感じますね。 伊予鉄譲渡はVVVF化改造を伴うものであったため、既存チョッパ機器の流用を前提とする銚子への譲渡とは事情が異なっているようです。そのため、京王3000系も『技術的に不可能』に当てはまることになりそうです。

その他では、新京成800形か京急1000形のどちらかが検討されていたのではないかと思います。どちらも軌間は1435mmで銚子電鉄に譲渡するならば台車を変更する必要がある形式ですね。これ以上は詮索のしようがないのかなという感じはします。ただし、2010年頃の記事などを色々と見ていると、2010年当時の銚子電鉄専門のサイトにおいて、新京成800形の導入予定があったという記載を確認することは出来ました。
rasu.dojin.com
そのサイトはあくまでも個人サイトでありますが、今回の記事の記載と合わせて考えると、あり得るのではないかなとは思いますね。ただ、新京成800形を導入できなかった理由は『銚子電鉄元社長の横領によって助成金が得られずに頓挫した』ということになっており、理由が異なりますが、まあ時期的に様々な要因が重なっていたのでしょうね。

一方、Wikipediaには2007年度に2編成、2008~2009年にそれぞれ1編成ずつ、京王3000系の譲渡が計画されていたという記載も確認できます。
ja.wikipedia.org
実際に当該年度に新型車両導入案があったことは『07年度 銚子電気鉄道 安全報告書 』から確認できます。一方、京王3000系という記述は確認できませんね。私もこれまでこの計画が有力だったのではないかと思っていましたが、今回の報道を受けて改めて考えると、降圧化が技術的にそもそも不可能であり、新型車両が導入できなかったという記載には当てはまらない計画のように見え 時期によって新京成800形、京王3000系と二形式が検討されていた可能性があるのではないかと、コメントを頂いたことを踏まえて考えました。当時、新京成と名指ししている方(背景情報等も詳しく書かれている方)がいることを考えると、おそらく新京成800形も検討されていた可能性はあるでしょうし、京王3000系も上記の引用記事の情報に当てはまりそうです。そうなると、このどちらか、もしくは両方の形式が検討されていた可能性があるのではないかということですね。


車種も特定できないためこの程度の推測しかできませんが、何はともあれ実際のところは何が行く計画だったのか、気になりますね。新京成800形は本当に行く計画だったのでしょうかね。色々と気になる記事だったと思います。
※コメントを頂いた上で一部記載を変更しました。ご教示ありがとうございました。
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