事故車両の代替新造と修理扱いの違い クハE531-17はどっち?


こんにちは!
今回は鉄道事故車両で使用できなくなった場合における、代替新造と修理の違いに関する記事を書いていきたいと思います。
ここ数日、E531系K409編成に組み込まれる予定の新造クハが話題になっていますね。どうやら近いうちにJ-TREC横浜を出場するみたいです。この車番がクハE531‐17ということで、事故に遭って廃車になったクハと全く同じ車番になっているということです。
そんな鉄道車両の代替新造について、修理扱いか新造かという話題を聞いたことがあるのではないかと思います。この違いは何なのかということについて記事にし、今回製造されたクハE531-17はどちらの扱いなのか、このことを書いていきたいと思います。

代替新造

まずは代替新造からです。代替新造は【新造】ということばの通り、全くの別物として新しい車両の車籍を登録することになります。つまり、事故前の車両とは異なる車両として扱われるわけですね。新造するのだから、別物なのは当たり前だろうと思われるかもしれませんが、実は修理扱いにすることでその辺りの事情を変えることが出来るのです。

修理扱い

代替新造が別物として登録することであったのに対し、修理扱いは事故前の車両と同じ車両であるとみなし、元の車両と同じ物であるという扱いにすることです。どういった手順なのかといいますと、元の車両は廃車にせずに、新しい車両は元の車両と全く同じ物を修理したという扱いになります。そのため、製造年数も元の車両の物に合わされます。(例えば2000年製の車両が、2001年に事故に遭い、2001年に代替車を製造して復帰したとします。この場合、新しく製造された車両は2001年製ですが、登録上は2000年の車両ということになります。) このようにあくまでも「元の車両を修理しました」という扱いになっているのですね。なぜこんなことをするのかと言いますと、一般的には減価償却が絡むことが多くなっています。鉄道車両減価償却期限は13年ですので、13年よりも前に廃車にしてしまうと、廃車にした年に残りの年の分の経費を一括で計上しないといけなくなるわけです。これを避けるために、修理扱いにしてしまうということが起こります。そのため、一般的に減価償却中に代替新造された車両は修理扱いになることが多いですね。(ちなみにJR九州減価償却中に廃車になった場合も、代替車は新車両として登録する上、番台も新しい番台を興すこと多いことが特徴です。)


E531

E531系クハE531-17は?

それではE531系クハE531-17はどちらになるのでしょうか。こちらは既に事故車の1代目が除籍されていることから、おそらく新造車扱いになるものと思われます。車番は変わらないものの、新しい車両として登録されるはずです。E531系の被災車は既に減価償却も済んでいたので、代替新造という措置になったのではないかと思われます。ちなみに元車番と新車番が同じにもかかわらず、新造扱いになった車両としては過去にも例があります。営団5000系の5818・5252や同じく営団の03系の03‐802などですね。新造扱いの場合、基本的には別車番を付与することが多いですが、車番を合わせた新造ということもできるのでしょう。今回のクハE531-17は同一車番とは言えども、一度廃車になっているため、新造という形になると思われます。

今回は鉄道車両代替の新造と修理扱いの違いについての記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!