メトロ8000系の6次車はなぜ9000系に増結されなかったのかを考える


こんにちは!
今回はメトロ8000系と9000系に関する記事を書いていきたいと思います。
昨年、メトロ9000系の9109FにB修繕工事と新造中間車の組み込みが行われ、8両編成となりました。このB修繕工事と8両化は今後、9110F~9121Fまでに順次行われることが発表されています。年の差約30歳差の連結ということで、非常に楽しみですね。そんな9000系の8両化ですが、メトロ8000系の廃車が発生するまで、ある噂がありました。その噂と言うのが、メトロ8000系の6次車の中間車を9000系の8両化に活用するのではないかという噂です。8000系のうち初期に製造された8101F~8107Fの7編成は、1994年まで8両編成で活躍していました。ところが、10両編成に統一することになり、これらの車両に中間車を増結することになりました。その際に組み込まれたのが6次車です。この6次車は形式上は8000系となっていますが、実際には車体は0‐X系シリーズの構造となっており、また製造年月も新しい車両です。そのような比較的新しく、9000系とも年代が近い車両のため、9000系の増結中間車として活用されるのではないかという噂があったのですね。実際に良さそうに見えますが、果たしてなぜ8000系6次車は増結中間車にはならなかったのでしょうか。このことを考えてみたいと思います。


8000系


9000系
理由として考えられるポイントを挙げてみるとこんなところなのかと思います。
・8000系と9000系のシステムの違い
・床面高さが異なること
・7編成分しか確保できないこと
などが挙げられるのではないかと思います。
特に一つ目と二つ目ですね。まずは8000系と9000系のシステムの違いがあると思われます。その一つが8000系にはTISが搭載されていないということです。TISというのは、車両制御装置監視装置と言われており、要するに車両の状態などの情報をモニタで監視できるシステムのことなのですが、こちらの装置が8000系には搭載されていないのに対し、9000系は設置されています。仮に8000系中間車を組み込むとすると、このシステムに対応させる必要があります。また床面の高さも8000系は1200mmであるのに対し、9000系は1次車が1155mm、2~4次車が1150mm、5次車が1140mmとなっています。このように床面の高さが違うのでこれも合わせるための工事が必要となります。おそらく台車に変更を加えることになるのでしょう。更に7編成分しか確保できないとなると、結局ところ残りの編成分は新造しなければなりません。その他にも、車内外の再リニューアルも必要です。例えば、9000系の新造中間車を見ると、補助電源装置のSIVは搭載されていませんが、メトロ8000系の6次車にはSIVが搭載されています。増結中間車には不必要な設備が付いているということですね。車内については、一旦B修がされているのでインテリアを変える程度のものにはなると思われますが、改修も必要でしょう。こういったことを考えると、既存の中間車を転用するよりも、新造してしまった方がトータルで見ると、費用対効果が良いと判断されて、再活用されなかったのではないかということが考えられるのではないかと思います。

結局との所様々な工事が必要となってしまうので、トータルで考えれば新造した方がよかったのでしょうね。そのため、再活用はされなかったものと思われます。
なんだか勿体ないような気もしますが、それでも30年ほどは活躍したわけですから、十分なのかなとは思いますね。
最後までご覧いただきありがとうございました!