東急5000系のトプナン 脱線事故当該5101Fはどんな点が異端車なのか?


こんにちは!
今回は東急電鉄に関する記事を書いていきたいと思います。
先日の脱線事故当該となった5000系のトップナンバー、5101Fですが、Twitterなどを見ていると、この編成が異端車であるという投稿を度々見かけます。確かに5000系のトップナンバー編成である編成ですので、そういった点では異端の編成かもしれません。しかし、5101Fというのは非常に面白い編成で、単なるトップナンバーという点だけではない、唯一の特徴があります。今回は5101Fのどんな点が異端なのか、このことを見ていきたいと思います。

5101F

田園都市線で唯一、編成内の車両が1両も変わっていない編成

5101Fの異端な点は、登場時から1度も組成が変更されていない点が異端な点です。田園都市線の5000系は大きな組成変更のタイミングが主に3度ありました。この際に、5101Fを除く編成は組成変更の対象となりましたが、5101Fのみは一度も組成が変わっていません。
まず一度目の組成変更のタイミングが、6ドア車組み込みの際です。5000系は5107F以降、6ドア車を2両組み込んだ状態で製造されることが決定しました。そのことに伴い、オール4ドアで製造されていた5101F~5106Fも新たに新造された2両6ドア車を組み込むことになりました。その際に、5000系は編成中のデハサハの位置の入れ替えを行っています。

10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
オール4ドア クハ デハ デハ サハ サハ デハ デハ サハ デハ クハ
                     
6ドア組込 クハ デハ サハ(6) デハ デハ サハ(6) サハ デハ デハ クハ

このようにデハとサハの位置が6ドア組み込み前と後で全然異なります。5101F~5106Fはこのような組成変更を行っていく計画でした。

ところが、2009年、突如6ドア車を編成中に3両組み込む計画に変更となりました。これが2度目の組成変更です。当時、既に5102F~5106Fの5編成は6ドア組み込み済で、5101Fを残すのみとなっていました。そこで東急が何をしたのかといえば、すでに製造されていた5101F用の6ドア2両を組み込まずに、そのまま既に2両6ドアを組み込んでいる他の編成の追加の1両の6ドア車に回すことに計画変更となりました。そのため、5101Fのみ組成変更を回避したのです。
さらに、それだけにとどまらず、5102F~5104Fの6両の6ドア車も編成から外され、他の編成に1両ずつ組み込まれることになりました。これら3編成はデハサハの位置は戻されないまま、4ドアサハが組み込まれることになり、6ドア車と同じ組成のオール4ドア編成となりました。結局、5104Fは東横線に転属した編成の6ドア車を組み込み、2011年に再度6ドア車が組み込まれましたが、5102F・5103Fはこの時の組成のまま現在まで活躍しています。
この時の6ドア編成中3両連結により、田園都市線の5000系5101Fを除いた全編成が編成組み換え経験車となりました。

さらに2015年以降、6ドア車を組み込んだ5104F以降の編成の6ドア車が新製の4ドア車に置き換えられることになりました。これが3度目の組成変更です。この際、オール4ドア車であった5101F~5103Fは当然そのままの組成が維持されました。

このように様々な組成変更があった5000系田園都市線ですが、様々なタイミングが重なって5101Fのみが組成変更を逃れたという経緯があり、この結果デハサハの位置も唯一新製時と変わらないという異端車になったのです。5101Fが異端車と呼ばれる背景にはこのようなことがあります。
脱線してしまった5101Fですが、ぜひ復旧してほしい物ですが、どうなるでしょうね。台枠がやられていたら、なかなか復旧は厳しいのかもしれないなと思います。珍しい同編成、復帰を願っています。
最後までご覧いただきありがとうございました!