来週導入!特急よりも高い普通グリーン車、すみわけはどうなるのかを考える


こんにちは!
今回はJR東日本グリーン車に関する記事を書いていきたいと思います。
いよいよ来週の土曜日、10/12から中央線においてグリーン車の車両が組み込まれた編成が営業運転を開始します。楽しみですね。私はどうにか富士急1000形1001Fが残存しているうちに、グリーン車に乗って大月に行きたいな…と思っています。しばらくは人が多いでしょうから、落ち着いたら行きたいですね。
そんなグリーン車に関して、先日このような記事が公開されました。
diamond.jp
ダイヤモンドオンラインで公開されたグリーン車に関する記事です。この記事に「新たな問題」と書かれていたので、どのような問題を提起しているのかな?と記事を見てみると、このように書かれていました。

むしろ今後は特急列車とのすみわけが問題になるかもしれない。中央線特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」は、50キロまで事前購入で750円、チケットレスサービスで650円。これに対して普通列車グリーン車は50キロまで事前購入で1010円、Suicaグリーン券の場合は750円という逆転現象が起こっている。(中略)中央線ユーザーが2つの着席サービスをどう使い分けるのか、興味深いところだ。

いわゆるグリーン車と特急のすみわけ問題です。この記事で書かれている通り、現在はグリーン車で最も安いSuicaグリーンよりも、特急の最も安いえきえっとチケットレスサービスの方が安いという逆転現象が起こっています。50kmまでならば、グリーンは750円、特急は660円、100kmまでならばグリーンは1000円、特急は920円です。
記事ではこれが「問題になるかもしれない」とされていますが、実際の所これは問題になりうるのでしょうか。今回はそのことを考えてみたいと思います。

棲み分けは既存路線で確立済

それでは問題になるのか?ということですが、実際の所棲み分けは問題なくできるのだろうと思います。既にグリーン車が導入されている路線のほとんどで特急が走っており、棲み分けが行われています。それぞれの路線の特急をまとめてみると、東海道線には「踊り子」「湘南」、高崎線には「あかぎ」「草津・四万」※草津・四万はスワロー料金ではない、常磐線には「ひたち」「ときわ」、横須賀線総武快速線には「成田エクスプレス」「しおさい」が走っています。特に東海道線常磐線総武快速,横須賀線は1時間に1~2本の特急が日中も運行されていますが、グリーン車の需要は非常に大きいものとなっています。それではなぜグリーン車は特急より高いにも関わらず、多くの方が乗車されるのでしょうか。まず一つ目が各駅に止まり、特急未停車駅のユーザーの取りこぼしが無いからでしょう。特急は停車駅が限られます。各路線の特急の停車駅はこのような形です。

踊り子:東京、品川、(川崎)、横浜、(大船)、(湯河原)、熱海、伊東

湘南:東京、(新橋)、品川、(大船)、藤沢、(辻堂)、茅ヶ崎、(平塚)、(二宮)、(国府津)、小田原

あかぎ:上野、赤羽、浦和、大宮、上尾、桶川、北本、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、新町、高崎

ひたち:品川、東京、上野、(柏)、(土浦)、(友部)、水戸、勝田、(東海)、(大甕)、(常陸多賀)、日立、(高萩)

ときわ:品川、東京、上野、(日暮里)、柏、(龍ケ崎市)、(ひたち野うしく)、(荒川沖)、(土浦)、(石岡)、(友部)、(赤塚)、水戸、勝田、(東海)、(大甕)、(常陸多賀)、日立、高萩

成田エクスプレス:大船、戸塚、横浜、武蔵小杉、(品川)、東京、(千葉)、(四街道)、(佐倉)、(成田)、空港第2ビル、成田空港

しおさい:東京、錦糸町船橋、千葉、(四街道)、佐倉

グリーン車が連結されている区間の停車駅はこんな感じです。
通勤特急の湘南、あかぎ、ときわは停車駅も多くなっていますが、それでも首都圏付近では停車駅の取りこぼしはあります。こういった特急が停車しない駅のユーザーに対する需要は非常に大きいでしょう。ここで中央線・青梅線の各種特急の停車駅を見てみましょう。

あずさ、かいじ、富士回遊:東京、新宿、立川、八王子、大月
はちおうじ:東京、新宿、立川、八王子
おうめ:東京、新宿、立川、拝島、河辺、青梅

このような形です。
明らかに穴が大きいでしょう。特に通勤需要の高い中野~国立など西東京地区はこれまで普通列車に乗るしかなかったわけですね。こういった地区の人々の着席ニーズに応えるという需要は高いのだろうと思います。

そして特急の本数が少ないということ、これもあるでしょう。高崎線特急は日中はほぼ無し、ラッシュ時は1時間に1~3本程度、常磐線は1時間に2本、東海道線も1時間に2本、総武快速横須賀線は1時間に1~3本。ある程度は本数がありますが、やはり乗りたいときにパッと乗れる本数ではないのもまた事実です。特急とはいえ、ラッシュ時の普通列車の合間を縫って走るわけですから、そこまで劇的に早いというものでもありません。こうなると、やはり来た列車にすぐ乗りたい需要を拾うのは、グリーン車なのだろうと思います。また特急みたいに、券売機やえきねっとで座席を指定することなく、ホームのチャージ機で一瞬で券を買えるのも飛び乗りには良いことでしょうね。こういった速達需要も大きいと思います。
この点、特に中央線は大きいと思います。中央線は数分間隔で当たり前に列車が走っている路線ですので、特急を待つより普通のグリーンで良いや…となる人は結構多いのではないでしょうかね。
また特急が運転されていない時間帯のニーズですね。早朝・深夜、また7時台に上り特急は一本もありません。こういった時間帯の需要も高いでしょうね。

大きくはこの二つなのだろうと思います。
あとはJR東日本側の観点から考えると、あずさ/かいじの混雑緩和の目論見はあるのだろうと思います。以前、夕方にあずさに乗った際に感じたのは、立川・八王子までの乗車客はかなり多いということです。こういった客で満席になる状況を緩和したい狙いもあるでしょうね。本来の山梨県方面へ向かいたい客が乗りにくい状況を作らないこと、これも念頭にあるのかなと思います。

中央線はやはり西東京地区の需要はかなりあるのではないか?と思います。特に距離も短いとは言い難く特急も止まらない、三鷹~国立、日野~豊田、西八王子、高尾などですね。JR東日本もこの辺りを狙っているのでしょうし、私はすぐに定着するのではないか?と思いますね。
他の問題としては日中も数分間隔で運転されており、既存路線よりも明らかに本数の多い中央線において、特に日中時間帯など、どれだけの利用客を生み出せるかでしょう。ただ、私も良く中央線は利用しますが、少なくとも中央特快は日中でもほぼ座席が埋まっており、途中駅からは座れないことも多いですね。こういった際、グリーン車はかなり良いのではないか?とは思います。私も中央特快だと座れないので、快速で行くということをよくやりますが、今後はグリーン券を買えば、それもしなくても良いかもしれませんからね。日常ユーザーではありませんが、個人的にはかなりありがたいと思っています。あとはボックス席もなく景色の見にくかった中央線で景色を楽しむ移動が普通でもようやく出来るようになった喜びは個人的に大きいです。
今回は中央線グリーン車と特急の併存について考えてみました。
最後までご覧いただきありがとうございました!